夫婦間の問題が深刻になると、離婚という選択肢が視野に入ってきます。ただ、離婚してから後悔するケースもあるため、十分に検討してから判断することが大切です。
今回は、離婚で後悔する理由や判断基準、離婚に後悔しないための対策についても紹介します。
離婚で後悔する理由11個
①勢いで離婚した
配偶者との喧嘩やそのときの気持ちの勢いで離婚をする人もいます。しかし、十分に検討せずに離婚をすると、後になってから後悔する可能性があります。
離婚を検討する際は、勢いに任せず冷静に判断することが大切です。自分で判断できない場合は、家族や友人など第三者の意見を聞いて検討しましょう。
②私のわがままで離婚した
「自分にやりたいことがあった」「他の人を好きになった」「いい人だけどこれでいいのかという思いが消えなかった」など、自分のわがままと言える内容で離婚した場合、後になって後悔することがあります。
そのときの気持ちだけで判断せず、本当に配偶者とはもうやっていくことはできないのか、将来後悔しないと言い切れる決断なのか、を慎重に考えるべきです。
③経済的に困窮した・貧乏になった
これまでの生活を配偶者の収入に頼っていた場合、離婚後にたちまち経済的に困窮する可能性があります。
特に、専業主婦だった人は、離婚後に収入が大きく減り生活水準を下げざるを得ず後悔することもあるでしょう。
自分の収入だけで生活がままならないときは、家族の支援を受けたり、離婚前に仕事を始めて生活費を確保したりする必要があります。
④子どもに寂しい思いをさせた
離婚をすると、子どもをいずれかが引き取る流れになります。円満離婚で育児は協力しながら行う約束をしたとしても、子どもが寂しい思いをすることには変わりありません。
子どもの寂しそうな姿を見て、離婚を後悔したという人も多いでしょう。
⑤子どもと会えなくて辛い
離婚後に寂しい思いをするのは、子どもだけではありません。元配偶者が子どもを引き取った場合、いつものように子どもに接することができなくなります。
一般的には、離婚後に子どもに会える頻度は月1回程度です。そうなると日々の成長を見られず、あっという間に大きくなってしまいます。
離婚時の状況が悪ければ、まったく会わせてもらえないケースもあり、離婚を後悔することも多いでしょう。
⑥離婚後に改めて元配偶者の魅力を再確認した
長く同居していると、配偶者の小さな言動が目につき、悪いところばかり気になりがちです。その結果、喧嘩が増えて離婚する方もいます。
ところが、離れて暮らしてみると、元配偶者が知らないうちにやってくれていたことや助けてくれていたことに気づき、ありがたみや魅力を再認識する可能性があります。
⑦世間の目が冷たく感じる
離婚をする夫婦は少なくありません。とはいえ、暴力や不倫、浮気などが理由で離婚した場合でも、冷たい目で見られる可能性があります。
例えば、夫婦ともに同じ職場で働いている場合や仕事でつながっている場合は、同僚や上司の目が気になり、職場に居づらくなるでしょう。
また、家族で参加するイベントなどでも感じることがあるかもしれません。
⑧孤独感が強くなった
同居しているときは、配偶者との生活が当たり前になってしまい、細かい点にイライラしたり嫌悪感を覚えたりしていたものの、いざ離婚すると、突然一人の生活になるため孤独感が強くなります。
配偶者との暮らしを思い出し、イライラしていたことすら懐かしく感じるかもしれません。
⑨生活の変化でストレスがかかる
離婚をすると、これまでの生活が一変します。引越しをした場合は、近所や新しい学校、職場での関係性を新たに構築しなければなりません。
家事と仕事の両立に慣れて、経済的、精神的に安定するまでは、日々の生活にストレスを感じる人も多いでしょう。
⑩老後の生活に不安がよぎる
配偶者と将来を踏まえたライフプランを立てていても、離婚をすれば将来について一から計画し直さなければなりません。
離婚をして生活が安定しても、老後を考えると不安がよぎり、離婚を悔やむ人も多いでしょう。離婚を決断する場合は、老後の生活をイメージしたうえで検討することが大切です。
⑪自分のせいで離婚したことに責任を感じる
離婚をしたものの、振り返ってみれば自分の言動が原因だったのではと責任を感じる人もいます。
例えば「相手の話に耳を貸さなかった気がする」「家庭を疎かにしていたかもしれない」など、自問自答をすればするほど後悔が浮かび上がる可能性があるでしょう。
後悔しないためにも、離婚前によく考えて判断し、離婚するなら前向きに捉えて新たな人生を歩むことが大切です。
男性が自分から離婚して後悔する理由
女性が社会的に活躍するようになった現代でも、女性のほうが育児の時間が長い家庭が多いのが現状です。
そのため、離婚したときも、育児をする時間が長い母親に親権が与えられるケースが多くなります。
男性にとっては、子どもと毎日会えなくなるため、寂しさから離婚を後悔する人も多いでしょう。
また、普段から家事を妻に任せていた場合、離婚後に仕事と家事の両立に悩まされる可能性があります。さらに、住宅ローンで困ることもあります。
女性が自分から離婚して後悔する理由
収入面では、男性の方が多く得ているケースが多いです。そのため、離婚した途端に収入が減って生活が辛くなり、生計を立てるのに苦労する人も少なくありません。
特に、小さな子どもを育てている場合、仕事と育児を両立しながら十分な生活ができるだけの収入を得るのは難しいものです。また養育費がもらえずに困るケースもあります。
家族や公的扶助を確認し、できるだけお金の面で問題が起きないよう準備する必要があるでしょう。
また、育児についてはシングルマザーとして頑張る必要があり、自分の時間が取りにくい点も後悔する理由となります。
子なしで離婚して後悔する理由
子なしで離婚する場合、親権の問題がなく、離婚後に元配偶者と完全に縁を断ち切ってもそれほど問題が発生しません。
また、再婚や再出発しやすいのも、子なしで離婚したケースのメリットです。
一方で、養育費や児童手当が期待できず、収入を自分で確保しなければいけない点はデメリットといえます。経済的な自立ができなければ離婚後の生活が苦しくなります。
その結果、離婚をしない方が安定した暮らしができたと後悔する人も多いでしょう。子なしで離婚する際は、離婚後の収入源を確保してから行動に移すことが大切です。
子ありで離婚して後悔する理由
子ありで離婚して後悔する大きな理由として、経済的に苦しくなる点が挙げられます。特に、専業主婦だった場合、結婚中は夫の収入に頼っている状態です。
そのため、離婚後にはたちまち収入がなくなってしまいます。
子育てには多くの費用がかかるため、離婚を検討する段階で職探しや貯金などの対策を練ることが大切です。
また、親権が与えられない場合は、子どもに会えなくなるため後悔することも多くなるでしょう。毎日当たり前に暮らしていた子どもと、月に1回程度しか会えなくなると寂しさが募ります。
シングルマザーで離婚して後悔する理由
離婚した女性が親権を得た場合は、シングルマザーとして頑張らなければなりません。
特に、経済面で苦労するケースが多く、子どもが小さいうちは仕事よりも育児に時間を取られるため、思うように収入が得られない可能性があります。さらに、家事と育児の両立に悩まされて、離婚を後悔する人も多いでしょう。
また、子どもが父親に会えず寂しがる様子を見て、離婚の決断を早まったのではと自責の念にかられる人もいます。
シングルマザーで子育てをする場合は、養育費についてじっくりと話し合い、児童手当を忘れずに受給しましょう。
精神的、肉体的に疲れた場合は、両親を頼ったり託児施設をうまく活用したりすることも大切です。
優しい夫と離婚して後悔する理由
離婚する理由は人それぞれであり、優しい夫であっても別れを選択する人もいます。例えば、価値観の違いなどは、夫の性格と関係なく離婚の理由になるでしょう。
しかし、いざ離婚してみると、元夫の優しさや心の広さに気付き後悔する可能性も少なくありません。
離婚後に、自分のわがままを元夫が受け止めてくれたことや、夫の存在が自分の精神面を支えてくれたことに気付くこともあるでしょう。
また、優しい夫は子どもに対しても良き父親であるケースが多いです。自分にとっては優しさが物足りなく感じていたとしても、子どもの寂しそうな姿を見て離婚を後悔することも考えられます。
亭主関白な夫と離婚して後悔する?
亭主関白な夫と離婚して後悔する場合としては、経済的な理由がほとんどです。経済的な問題が片付くのであれば、離婚自体を後悔する人は少ないでしょう。
自分のことをバカにしてきたり、いろんなことを押し付けられたりして疲れている場合、離婚によってそれらは解消されるからです。
後悔しないためには、すぐに離婚に踏み切るのではなく、仕事を確保したり、当面の生活資金を準備したり、住居や子どもの生活などを想定しておいたりすることが大切です。
離婚で後悔する人の割合!切り出した側は?
離婚弁護士ウォークでは、離婚経験のある144人に離婚してよかったと思うかどうかアンケート調査を行いました。
自分から離婚を切り出した人と、相手から離婚を切り出された人を分けて結果の数字を紹介します。
結論を述べると、どちらの場合でも離婚を後悔している人は少なく、離婚してよかったと考えている人が多くなっています。
自分から離婚を切り出した人
<回答の割合>
よかった :85.6%
よくなかった:1.8%
わからない :12.6%
相手から離婚を切り出された人
<回答の割合>
よかった :57.6%
よくなかった:6.1%
わからない :33.3%
離婚に迷ったときの判断基準5個
①大きな問題を抱えているか
DV、モラハラ、不倫などの継続しがたい大きな問題があるかどうかは判断基準になります。
大きな問題がある場合は、今後結婚生活を続けていくのは難しいでしょう。
同じ問題に何度も悩まされる可能性が高いです。早いほうが次の人生の立て直しの時間がとれるため、幸せに生きられる可能性が高いでしょう。
②精神状態が悪化しているか
結婚生活を続けていく中で、日々の生活にストレスを感じて精神状態が悪くなっている場合は、離婚を検討したほうがいいでしょう。
ストレスが溜まると、はじめのうちは疲れ程度に感じていても、徐々に不眠症や食欲不振、精神不安定に追い込まれるおそれがあります。
夫婦関係が原因でストレスを感じているなら、離婚によって生活環境が変われば症状が改善するかもしれません。
③結婚生活と離婚のどちらが大変か
結婚生活を続けていくのと、離婚して新しい生活を始めるのでは、どちらが大変か考えてみましょう。
生活費、子育て、住居、精神面などを総合的に考えて、どちらが大変なのか、自分にとってはどちらが充実した人生につながるのか考えてみましょう。
④子どもにも影響があるか
親の不仲は子どもにも伝わります。自分だけでなく子どもにも影響が出るようになった場合は、速やかに離婚したほうがいいでしょう。
子どもの言動が変わったり、精神的に不安定なことが増えたりした場合は夫婦関係とつながっているかもしれません。
子どもがいる場合は、子どもの心身も十分に考えたうえで行動することが大切です。
⑤夫婦関係の修復が難しいか
価値観やライフスタイルの違いが大きくなり、修復を試みたけれど難しい場合は離婚を検討する段階といえるでしょう。
無理に修復しようとすると、余計に関係が悪化するおそれがあるため注意が必要です。
思い切って離婚することで、互いの人生を尊重できるようになり、新しい関係性を築きやすくなります。
離婚で後悔しないための対策5個
①離婚する理由を明確にする
離婚の理由は、性格の不一致や不倫、借金など夫婦によってさまざまです。いきなり離婚をするのではなく、理由を明確にすると、話し合いで解決する可能性もあります。
一時的な感情に流されないように、改めて夫婦関係を省みて、なぜ離婚したいのか考えてみましょう。
②別居する
離婚をする前に、一旦別居する方法もおすすめです。一時的に距離を置くことで、夫婦関係が改善する可能性があります。
また、別居によって離婚後の生活をイメージできる点もメリットです。すでに離婚を決断している場合も、別居が長く続けばスムーズに手続きを進められます。
③第三者に相談する
精神的にダメージを受けていると、冷静な判断ができなくなります。離婚後の生活に不安を感じて行動に移せない場合は、家族や友人に相談してみましょう。
ただし、相手によっては中立な立場で意見を言ってくれない場合があります。
近しい人物に話しづらい場合は、離婚問題に長けたカウンセラーに相談する方法もおすすめです。
④離婚後に備えて準備をする
離婚をすると、経済面や生活リズムが大きく変化します。
特に、収入を配偶者に頼っていた場合、仕事を探して収入源を確保しなければなりません。加えて、離婚後に生活する場所も決める必要があります。
経済的に自立した生活が難しい場合は、実家に帰ることも視野に入れましょう。また、子どもがいる場合は、公的扶助をスムーズに受けるために、事前に手続きを確認しておくことも重要です。
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⑤弁護士に相談する
離婚問題を得意とする弁護士に相談する方法もあります。
特に、財産分与や養育費問題については、自分で解決できない可能性が高いでしょう。弁護士に相談すれば、こうした経済面の手続きもサポートしてもらえます。
また、弁護士によってはカウンセラーと連携しているケースも多く、精神面の支えにもなるでしょう。
他には、相手が不倫している場合、どんな証拠を揃えておくと有利なのかアドバイスももらえます。
すでに離婚して後悔しているときの対処法
離婚後に後悔しているときは、その理由を明確にしましょう。
例えば、親権を相手に取られたことが理由であれば、親権者の変更や面会回数の増加などを離婚相手に相談しましょう。
また、養育費や財産分与に不満がある場合は、専門の弁護士に相談するとよいでしょう。
他には、将来の不安や寂しさが募り、一人の生活に耐えられなくなったことが理由のこともあります。
こうした場合は、一人で頑張りすぎず、家族や友人に相談してサポートしてもらうことも大切です。ゆとりが出てきたら、運動や趣味などに力を注いで、自分の時間を充実させていきましょう。
まとめ
思い切って離婚したけれど、いざ一人になってみると後悔が募るという人もいます。特に、子どもがいる場合は、心のケアや子どもの成長、生活費などが理由で後悔するケースも多いでしょう。
離婚はお互いに次の人生を歩むうえで必要な行動ですが、状況によっては話し合いをして夫婦関係を改善できることもあります。
離婚後に後悔しないためにも、離婚の理由を明確にして冷静に判断することが大切です。自分だけで判断できない場合は、友人や家族、離婚問題に長けた弁護士などに相談しましょう。
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