「離婚届」では、夫と妻の住所を記入しなければなりません。但し、既に夫婦が別居していたり、相手方に住所を知られたくなかったり等、どのように記入したら良いのか迷うこともあります。
ここでは、「離婚届」の住所欄について、様々な場合を想定した記入方法をご説明いたします。
離婚届の住所の基本的な書き方
※引用元:法務省
「離婚届」の住所欄には、自分が住民登録している住所、つまり住民票の住所を記入することが基本です。また、「世帯主の氏名」も、住民票の「世帯主」となっている人の氏名を書きます。
但し、まだ離婚していなくても、別居をして、その住所に住民登録をしている場合には、その住所を記入します。
この場合、妻が別居して、住民登録をしている場合には、「世帯主の氏名」は、基本的に妻の名前になります。しかし、別居をしているだけで、住民登録していない場合には、「住民票」上の住所を記入します。
離婚届の「別居する前の住所」の基本的な書き方
「同居の期間」の欄で「別居したとき」に年・月を記載した場合、つまり、既に別居している場合には、「別居する前の住所」の欄に、別居前に夫婦が同居していた住所を記載します。
例えば、夫婦が婚姻中にAという住所に住んでいて、「離婚届」を出す前に妻がBという住所に移転した場合には、「別居する前の住所」の欄に「A」を記入します。この場合、妻がBに住民登録していなければなりません。
もし「離婚届」を提出する時点で別居していなければ、この欄に記入する必要はありません。
離婚届の住所が離婚後もそのまま同じ場合
「離婚届」に記載した住所が離婚後も同じ場合、つまり夫と妻が離婚後も同居する場合があります。
子どもの養育のため等、個々の家庭の事情で、そのような選択をする場合も、決して珍しいことではありません。
このような場合には、「住所」の欄に、夫婦共に現在住んでいる住所をそのまま記入することになります。なお、離婚後にどちらも住所を移転しませんので、住民登録(住民票に関する手続き)は不要です。
離婚届の住所が住民票と違う場合
先程の「離婚届の住所の基本的な書き方」でご説明したとおり、「離婚届」の住所は、住民登録している住所、つまり「離婚届」を提出する時点での「住民票の住所」を書かなければなりません。
「離婚届」を提出する時点で、夫婦が別居していても、別居した側が住民票を移していなければ、別居前の住所を記入することになります。
もし住民票を移していない住所を記入した場合、市区町村役場の担当者から、修正するように指摘されます。その際には、「届出人署名」に押印した印鑑で、住所の修正をすることになります。
離婚届の住所を知られたくない場合
例えば、妻が夫と既に別居して住民票を移している場合、その住所を「離婚届」に書かなければなりません。その住所地に妻が離婚後も住み続ける場合、夫に住所を知られることになります。
もし夫に離婚後の住所を知られるのが困るようであれば、一旦元の住所、つまり夫と同じ住所に住民票を移すという方法があります。こうすることで、「離婚届」には夫と同じ住所を記入し、「離婚届」を提出した後で、住民票を移せば良いわけです。
離婚届の住所でマンション名やアパート名は入れる?
「離婚届」の住所は、基本的に住民票に記載された表記どおりに記入します。従って、住民票にマンション名やアパート名が記載されている場合には、「離婚届」にも記入します。
もし住民票にマンション名やアパート名が記載されているのに、「離婚届」に記入されていなかった場合には、訂正を求められる可能性があります。
離婚届の住所でハイフンは使える?
「離婚届」の住所を記入する際に、「ハイフン(-)」は使えません。例えば、「福岡市中央区天神9-8-7-605」等の記入はできないことになります。
このような場合は、「福岡市中央区天神9丁目8番7号天神中央ビル605号」というように、「丁目」、「番」、「号」を記入することになります。
離婚届と住所変更(転居届)の順番は?同時?
離婚後に、現在住んでいる住所から他の住所に引っ越す場合、「離婚届」と「転居届」等の提出をどうするのかという問題があります。
もし「離婚届」の提出時に、転居先が決まっている場合には、同時に手続きを行った方が良いでしょう。
同じ市区町村内に引っ越す場合には、「離婚届」と同時に「転居届」を窓口に提出します。これで、手続きは完了します。
違う市区町村に引っ越す場合は、「離婚届」と同時に「転出届」を提出し、実際に新しい住所に移転したら、その市区町村役場に「転入届」を提出します。これで、手続きは完了します。
まとめ
「離婚届」は、一生に一度、書くか書かないかの重要な書類です。それだけに、「住所」の書き方一つとっても、不明な点が意外とあります。
基本的に「住所」は、住民票に記載されたとおりに記入します。もし分からない点があれば、市区町村役場の担当者に確認しましょう。
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